サークルCHARON作品5連発
4月頭に新作が出ていたので、
久しぶりのフリーゲーム感想でサークルCHARONを取り上げたいと思います。
前回の4作品はこっち
http://travelgate.hatenablog.com/entry/2013/06/22/134141
………3年前かよ………
☆ヤンデレラ
http://www.freem.ne.jp/win/game/5477
ひきこもりになっていた主人公・やたろー。
そんな彼を心配する幼馴染、ほのか。
ずっと前に引っ越してしまった女の子、ひなた。
夏休みを機に故郷に帰ってきたひなたを中心に、
かつての3人は懐かしい時間を取り戻す。
しかし、大人になってしまった少年と少女たちの関係は、
少しずつ変わってしまう…
CHARON作品としては比較的長編で、
全ルートを見るには、約一時間かかります。
また、性的・暴力的表現がひときわ激しい作品なので、
その意味でも注意が必要かもしれません。
…つっても、苦手だったらそもそもCHARON作品やらないよね。
個人的に日和ったり優柔不断なハーレム系主人公は嫌いなので、
こういうのはキッパリとどちらかを選ぶべきだ、と常々思っているのですが、
このお話に限っては、日和ることが正解だという…
時には波風を立てないことも大事だという教訓でしょうか。
こういう小ネタがあるのもシリーズファンとしてはうれしい
いくつか選択肢があるものの
ルート決定に影響するのは、実質一つだけ。
これは『みっくすおれ』と似たような構造ですが、
今回のお話に関しては、
ヒロイン視点で見た時に、
彼女たちにとって大きな意味を持つであろう、やたろーの行動も
展開に影響を(ほとんど)及ぼさない
という、ちょっと軽視できない欠陥があります。
あとこれ、露骨に某綿流しのパロディだよね。
特にひなたはどう見てもレ…
☆しほりエスケープ
http://www.freem.ne.jp/win/game/8417
6作目にして、満を持して登場のきたろー君。
見覚えのない、薄暗い部屋の中で目覚めた彼は、
歩き回るうちに欠落した記憶を取り戻していく。
なぜ自分はここにいるのか。
この部屋で何が起きたのか。
全ての記憶を取り戻した時、彼の選んだ結末とは…
『み”き”お』と読み違えて、一瞬ギョッとした(ってか絶対関係者だよね?)
例によってトゥルーエンドとバッドエンドの二通りあるわけですが、
おまけを見た後だと、果たしてトゥルーエンドが本当の結末なのか?
バッドこそが正しい結末だったのではないか?
などと悩んでしまいますが、
結果だけ見ると、どっちも大して変わんなかった。
人を愛し、愛されるというのは難しいね。
☆きみとぼくときれいごと
http://www.freem.ne.jp/win/game/8418
主人公・しんたろーは、
知的で謎めいたクラスメイト、あきのに興味を持つ。
とあるCDをきっかけに、趣味の合う親友として、
二人の関係は深まっていくのだが…
ノベル形式で、物語は進む。
Charon作品の中でも異色を放つ作品で、
サスペンスはなく、病んだ人間も出てこず、暴力表現もマイルド。
ただ淡々と過ぎていく時間の中で二人の友情の果てが描かれ、
エンディングを迎える。
選択肢は、最後のを除いて完全な飾り。
演出として見ればいいんだけど、
一か所受け答えが不自然になる部分があったのが気になったかも。
かなり難解なお話で、
正直なところ、俺は半分も理解できてなかったと思う。
ただ、あきの君の不思議な言動はCHARONのとある作品を思い出させるもので、
さらに容姿もどことなく”彼”に似ている。
見当違いの解釈なのかもしれないけど、
俺は彼のその後ということで脳内補完しました。
CHARON作品は、比較的わかりやすいお話が多いので、
その点でも異色と言えるでしょう。
一番謎なのがこの一文…
☆つきみぷらねっと
http://www.freem.ne.jp/win/game/10507
難病を抱え、余命いくばくもない少年・うたろー。
打ちひしがれる彼の前に、つきみと名乗る不思議な少女が現れる。
彼女は自分を宇宙人だと言い、さらにこう付け加えた。
『一つだけ、キミの願いを叶えてあげる』
うたろーが、つきみに願った最後の望みとは…
この作品も、ノベル形式。
ティラノビルダーで制作されていて、UIが充実している。
(動作がちょっと不安定だけど…)
どこでもセーブって、ほんとに素晴らしいものだと思う。
俺がツクール好きなのも、どこでもセーブとF12のおかげが7割くらいなんだよ!
うさはかわいいけど、本音を言えば全作品どこでもセーブにしてほしい…!
…それはそれとして、
この『つきみプラネット』は、おそらくCHARON作品で最短。
エンディング3パターンを見ても、10分かからないと思います。
短い中にもCHARONっぽさが詰まっているので、
CHARONを知らないという人に特にお勧め。
☆フルボッコようちえん
http://www.freem.ne.jp/win/game/14467
幼稚園生のみたろーくんは、
今日も元気に幼稚園に通います。
なかよしの、ことみちゃんと過ごす一日。
楽しい一日になりそうです。
…ごめん、若干ネタバレの範疇かもしんないけど、
ことみちゃんの性格について言及しないと何も語れねーよこのお話!
read meにも書いてある通り、
ことみちゃんにひたすら口汚く罵られる、いじめられっ子の受難の物語。
しかしことみちゃんの言葉の端々からは、
自分自身に対する無力感、世の中に対する絶望感を窺い知ることができ、
彼女がやたらとみたろーくんに対して干渉する理由も
どこかみたろーくんに対して共感を抱いているからなのでしょう。
…ただ、幼稚園児って設定からギャグだよね、これ。
無理がありすぎる…!
そしてこの作品の要は、トゥルーエンドにあり。
このお話単体だとエンディングの意味がわからない上に、
作者さんがお話の真のテーマとしたであろうことも補完することはできません。
サークルCHARON作品を一通りプレイした後で、
この作品に触れることを強く推奨します。
・
・
・
なんか若干辛口になったような気がするけど、
CHARON作品は独特の魅力があると思います。
基本的にバッドエンドばかりだけど、
その大半がいびつな愛による破滅という点が、
どことなく共感できるのかも…
なんて言うと危ないか。
以前より作品の発表ペースは落ちたものの
コンスタントに新作が出続けているので、
これからもCHARON作品が増えることに期待したいです。
何故イチゴオーレだけこの顔をチョイスした。